お父さんたち、ご飯作ってますか? 無頼派と呼ばれた作家檀一雄(1912~76)のベストセラー『檀流クッキング』は、世の男性たちにも料理の楽しさを伝えました。刊行から半世紀、「男の料理」は珍しくなくなりましたが、台所の日常は変わったのでしょうか。
料理の取材続き「私は作家」
〈ただ十歳のころから、ヤミクモに、自分の食べるものは、自分でつくって、食べてきたという、男である〉
1969年から新聞連載し、70年に単行本が刊行された『檀流クッキング』で、檀は母の家出をきっかけに少年時代から料理をするようになった、と明かす。『火宅の人』『リツ子・その愛』を著し、最後の無頼派と呼ばれた檀は「放浪の作家」でもあり、国内外でおぼえた料理を次から次に作っていく。
カツオのたたき、モツ料理、豚の角煮、カレーライス、サバ・イワシの煮付け、トウガンの丸蒸しスープ、ボルシチ、パエリヤ……。身近な料理も、当時はなじみの薄い外国料理もある。〈割合はどうするかって? どうだっていい〉〈何だっていいのである〉。細かい手順は示さず、作り手に委ねることもある。
長男で映像プロデューサー・エ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル